こんにちは、さくらん坊(@ok_sabou)です。
長かった夏休みが終わり、ぼちぼち幼稚園の説明会というところも多いのではないでしょうか。
願書提出は10月〜11月に設定されているところが大半。
保護者の方は、色々と迷われている時期かもしれません。
今回は、我が家の長男が通ったシュタイナー教育の幼稚園について、お伝えしたいと思います。
2019年の今年は、ドイツに最初のシュタイナー学校開校100周年の記念の年、とのことですし、ね。
Contents
シュタイナーって誰?シュタイナー教育って何?簡単に教えて!
みなさん、シュタイナー教育ってご存知ですか?
私は、長男の幼稚園探しを始めるまで、全く知りませんでした。
将棋の藤井聡太プロが通ったモンテッソーリや、フィギュアの紀平梨花選手を育てたヨコミネ式なら聞いたことがあるけど……。
木のぬくもり溢れる素敵な園庭に惹かれて行った見学会で、シュタイナーという教育方針を知った私。
いったい、どんなものなのでしょうか?
哲学者シュタイナーが唱えた、教育理論
シュタイナーについて、今一度、調べたところによると、、、
芸術!
その芸術的活動を通し、一人ひとりの子どもの個性を受けとめ、社会の中で自分らしく生きていけるように支え、育てていくことを大きな目的とする教育です。
一時の試験で確認されるだけの知識の習得にではなく、内面的な豊かさを含めた人間的諸能力の調和的発達に重点を据えるものであり、教科書を使用せず、試験や点数評価も廃止し、12年間一貫制の教育であるといった ユニークな特徴が日本でも知られている。
引用- Wikipedia/シュタイナー教育より–
このように、通常の学習指導要領とは大きく異なるシュタイナー教育。
実践している学校法人は日本では数少なく、フリースクールの位置付けになるものが大多数。
そのため、なかなか馴染みのないことも事実です。
幼稚園におけるシュタイナー教育とは?
小学校から先の義務教育課程とは違い、幼稚園におけるシュタイナー教育の実践は、その園の規模や方針によって様々。
一概に「こんなだよ!」と言い切ることが出来ません。
厳密に「シュタイナーの思想」に基づいた活動を行なっているところもあれば、
「シュタイナー風」として、そのエッセンスを取り入れている程度のところもあります。
我が子が通ったところは、前者に近い、後者。
厳密にいうと、シュタイナー(風)の幼稚園でした。
その特徴は、簡単にいえば「のびのび系の幼稚園」。
シュタイナー教育における幼少期は、外からの刺激をなんでもグングン吸収する時期と捉えます。
だからこそ、その時期に過度な刺激を与えすぎず、子供のペースでの成長を促すことをよしとしているのだそう。
我が子の通った幼稚園に関しては、「数字や文字のおけいこ」といった座学は、卒園まで一切ありませんでした。
歌ったり、絵を描いたり、森で過ごしたりしていたよ(妖精のようである)。
シュタイナー系幼稚園の、縦割り保育
我が子の園では、年少さんから年長さんまで、一つのお部屋で過ごします。
係や決まり事としての「お世話」はなかったにも関わらず、
大きい子が小さい子のサポートをするといった流れが自然と生まれ、
次の年にも受け継がれていく。
子供達にそういった姿が見られたのは驚きでした。
我が家の長男は年長時に弟が生まれるまで一人っ子だったので、
幼稚園での生活で異年齢の子供達との接し方を学んだように思います。
シュタイナー系の園では、こうした縦割りを取り入れているところも多いようです。
シュタイナー系幼稚園の、お部屋の秘密
シュタイナー教育の幼稚園では、日々を過ごすお部屋にも、こだわりがありました。
安心感のある空間で、思い思いの成長を見守る。
この「安心感」の醸成のため、お部屋の作りにも統一した世界観が用いられています。
息子が通った幼稚園に関しては、
- 蛍光灯などの光が直接当たらないよう布でカバーがされており、間接照明になっている
- カーテンなどは薄いピンク色の布
- 木のおもちゃ(プラスチックなどはない)や、手作りのおもちゃが大半
- 教室自体の作り・置かれたテーブルや椅子も、角のない丸い形
といった具合でした。
シュタイナー系の幼稚園とはいえ、一つ一つのお部屋の形にまでこだわっているのは、珍しいかも知れませんね。
まるでジブリ美術館のような丸みのある土と木の建物に、
子供も私も教育云々そっちのけではしゃいでしまったものですよ。
文章にすると少しこだわりが強過ぎるようにも思われますが、温かみのある心地よい空間で、とても落ち着いて過ごせた印象です。
シュタイナー教育の幼稚園、どんな毎日を過ごすの?
お祭りや遠足といった年間行事以外、かっちりとしたスケジュールのない印象だった我が子の幼稚園。
その様子を、少し、振り返ってみたいと思います。
シュタイナー系幼稚園の、1日
繰り返しますが、かっちりと決められたスケジュールに沿って動くのではなく、子供たちの様子やお天気によって活動内容が決まることも多かった幼稚園。
四季折々の自然に触れる活動が多く、植物を育てたり、虫や動物と触れ合ったり、草木染や果実シロップ作りなどなど。
昔ながらの、でも今となっては新鮮な遊びをふんだんに経験していました。
1日の中で決まっていたのは、朝の礼拝くらいでしょうか。
キリスト教系なのでね。
ちょっと脱線しますが、長男が通った幼稚園では園内で給食が作られていたのですが、これが最高に美味しかったのが強烈な思い出です(保護者に大人気の試食会にて)。
メニューは基本的に和食中心。
薄味ながらお出汁の味がしっかりの、お肉少なめ野菜多め、ごはんは玄米。
最初は子供がちゃんと食べるのか心配していましたが、いつもしっかり完食していたようです。
そんな最高のご飯で育った我が子は好き嫌いもなし!
若干、味にうるさくなったのがアレだけど……。
……
シュタイナー系幼稚園での生活に、話は戻りまして。
そんな自由な毎日の中でも、
芸術性を重視するというシュタイナー教育の特徴的な取り組みとして、
定期的に行なっていた活動がありました。
ちょっと、だいぶ、独特です!
ここからは実際に、我が子が幼稚園で体験してきた活動をご紹介します。
シュタイナー教育の幼稚園、特徴的な活動
早速いきましょう、まずはこちら!
オイリュトミー
シュタイナーといえば出てくるこのワード!初めて聞いたときはチンプンカンプンでした!
最初の頃は発音すら危うげだった……
オイリュトミー(Eurythmy)とは、オーストリアの神秘思想家、教育家であるルドルフ・シュタイナーによって新しく創造された運動を主体とする芸術である。ある種の舞踊ないし総合芸術、パフォーミング・アーツであるとも言われる。ギリシア語のευ(eu:美しい)、ρυθμός(rythmos:リズム)から名付けられた。
引用- Wikipedia/オイリュトミーより–
私は、すごくザックリと、独創的な創作ダンスと捉えていたオイリュトミー。
ヒラヒラした布を持って踊る子供達はかわいらしかったですよ。
この園では、親子でオイリュトミーのできるサークルなどもありましたが、私は未経験のままで終えました!
にじみ絵
息子も私も大好きだった活動の1つである、にじみ絵。
赤・青・黄の3色の水彩絵の具と平筆を使って、濡れた画用紙に自由に色をのせていきます。
これは実際に息子が描いたものですが、一つとして同じ表情のものがない面白い作品ばかりですよ。
水で湿らせた画用紙に色をのせる事で、にじませていくお絵描き。
絵というよりは、色で遊んでいる感覚でしょうか。
感性を育てることを目的とされていますが、純粋に、制作過程や作品が美しくて癒されました。
海外では、絵画療法として医療やリハビリにも取り入れられていると聞きました。わかる気がする。
家でも割と簡単に出来るので、気になる方は是非!
幼稚園で使われていた絵の具はここらへんのもの。
これでなくても良いですが、シュトックマー社の製品は口に入れても無害なので子供に安心。
そしてにじみ絵に使う絵の具は、透明水彩のものが色が綺麗に混ざり合うのでおすすめです。
フォルメン
これに関しては、息子や他の大人の方(幼稚園活動に熱心だった保護者の皆さん)に話だけ聞いていたのですが、見たことがなかったのでイマイチ分かっていなかった活動でした。
今更ながら調べたところ、シュタイナー教育といえばで有名な「東京賢治シュタイナー学校」の公式サイトに詳しくありましたので、引用させてもらいます。
フォルメン線描
文字や数字の根底にあるフォルムのみを純粋に学ぶ、「フォルメン線描」。直線や曲線に対する形の感覚をフォルムを描く中で身に着けていきます。教師をまねてたくさん身体を動かし、歌い、そしてクレヨンで描いていきます。
引用- 東京賢治シュタイナー学校–
息子のにじみ絵の作品の中に、このような線描があった気が、、、しなくもない。
(これもまた、シュタイナー独自の活動だったのか……)
多分、この線描でも使っていた、幼稚園で購入したクレヨンはこちら。またまたシュトックマー!
これは今でも買い直してまで使っていますが、本当に発色が良くてお気に入りです。
芸術性を重んじるシュタイナーらしい、面白い活動の数々は、子供も楽しく取り組んでいたようです。
シュタイナー教育の幼稚園、遊んでいたおもちゃ達
シュタイナーはその著書の中で、『子供は、ファンタジーの中に生きている。生まれてから永久歯が生える頃までに体験したあそびが、全生涯に意味をもつ』との考えを示しています。
それほど、幼少期の過ごし方・遊び方に重きを置いていました。
そんな園で遊ぶこだわりのおもちゃ達、そのいくつかをご紹介します。
シュタイナーのおもちゃ:カプラ
なんといっても一番人気だったのがこちら!
シンプルな長方形の薄い積み木で、様々な形を作っていく子供達。
大きな子供達は、あっという間に天井に届くほど積み上げていたりと、その創造力に毎回驚きました。
この積み木、崩れる音も、軽やかで心地いいのが素敵。木の匂いもとてもいい!
我が家でも、最初に取り入れたおもちゃです。もうすぐ9歳の長男、次男とともに、今でも遊んでいます。
シュタイナーのおもちゃ:アーチレインボー
その名の通り、虹をモチーフとした木のおもちゃ。
シンプルながら、積み上げたり転がしたりと、やはり想像力をフル活用して遊んでいたおもちゃです。
大きさも色々と揃っていて、並べると子供が隠れてしまうサイズのものも!
これも我が家で今でも遊んでいる一つです。
シュタイナーのおもちゃ:ベック社のおもちゃ
ボールや車を、上から下へ転がしていくオモチャたち。
ボールや車が転がっていく単純な動きが、いつも子供達を夢中にさせていました。
やっぱり長男も大好きで、次男が生まれた頃に、小さいサイズのもの購入しています。
シュタイナーのおもちゃ:ウォルドルフ人形
ごっこ遊びの主役たち。女の子に人気でしたが、男の子も遊んでいました。
これは我が家では購入していませんが、素朴な、とても優しい肌触りのお人形だったのを覚えています。
いろんなお洋服のお人形たちは、愛らしかったですよ。
シュタイナーのおもちゃ:お山のつみ木
シンプルな、木の積み木。
本物の自然に触れることを教えてくれるシンプルなアイテムで、年少さんから年長さんまで、みんなが遊んでいました。
おまけ:デコア社のウィンドチャイム(風鈴)
これはオモチャではありませんが、幼稚園の入り口に吊るされていたもの。
子供達は挨拶がわりのように、皆が手で触れて、鳴らしていました。
澄んだ音が耳に心地いいですよ。いつかは欲しい、逸品です。サイトによっては視聴もできるので、気になる方はチェックしてみてください♩
通わせてみて感じた、シュタイナー教育のいい点は?悪い点は?向き不向きとは??
まずは、いい点から挙げ列ねます!
ここが良かった、シュタイナー教育
一番に言えることは、本当に楽しそうな3年間だったということ。これに尽きます。
当時は仕事が急に忙しくなった頃で、延長保育フル活用、毎日時間ギリギリにお迎えに行っていました。
延長保育を利用しているご家庭が少ない中でも、園が大好きだった子供は、いつ何時も楽しそうにしていたのが印象的です。
お迎えに行っても、遊びに夢中で中々帰らないことも!
帰り道で1日の様子を尋ねると、だいたいが、虫探し・木登り・積み木……給食。
お友達とも遊び、1人でも遊び、何が楽しいかを自ら探し、退屈知らずで過ごせる子供に育ったことは、とても良かったと思っています。
自宅ではなかなか体験させられない色々な遊びや、オイリュトミーといった活動も、子どものみならず親にとっても、良い経験となりました!
これはどうかな…な、シュタイナー教育
我が家にとっては全く悪いと感じていませんが、とにかく座学などは一切なかった幼稚園生活。
小学校入学前に自分の名前などは書けるように、ということで、卒園前に字の練習をする程度と、本当にのんびり。
とはいえ、絵本の時間もたっぷりだったためか、みんな年長頃になると読み書きを自発的にやっていた感はありましたけど。
お勉強系の幼稚園や保育園も多い中、中々の独自路線を走るシュタイナー系。
勉強面での方針に加え、基本的な挨拶やお片づけは別として、丁寧な礼儀作法なども、特には学びません。
『ちっちゃいのにしっかりしたお子さん』を望まれる場合は、向いていないかもしれませんね。
これに関しては、良い・悪い、ではなく、ご家庭の方針次第といったところです。
幼少期の勉学には励みませんが、息子は普通の公立小学校に入学したこともあって、学習面で「ついて行けずに困った」ということも、特にはありませんでした。
それまで触れてこなかった計算が興味深かったらしく、今のところ、算数好きの子供に育っています。面白い現象。
余談、シュタイナー教育を受けた有名人って誰かいるの?
『はてしない物語』、『モモ』のミヒャエル・エンデが有名ですが、日本にもちらほらと。
俳優・モデル・映画監督……と多方面で活躍の斎藤工さん。シュタイナー教育が、自分の礎を築いたといったことをインタビューでおっしゃっていました。
そして同じく、俳優の村上虹郎さん。言わずと知れた、歌手のUAさん・俳優の村上淳さんを両親に持つ俳優さんです。
こちらも、度々テレビや雑誌のインタビュー等でシュタイナーについて語られています。
お二方の独特の雰囲気、なんとなく、感じるものがありますね!
そして大注目は、若手俳優の坂東龍汰さん。
18歳まで北海道のシュタイナー教育の学校で学び、その学校のカリキュラムで演劇と出会ったのだそう。
趣味は絵や写真、クリアニメーションの映像なども制作されるとか。多才さが伺えます。
シュタイナー教育の出身者ではないようですが、「ポーの一族」で知られる漫画家の萩尾望都さんもシュタイナー思想への造詣が深く、対談などを行われています。
とはいえ、やっぱりあまり見つけられなかった……
メジャーとはいえないシュタイナーがゆえ?
シュタイナー教育の幼稚園、通ってみた感想・まとめ
子供にどんな教育を受けさせたいか、どのように育って欲しいか。考え出したらキリのない、沼にはまってしまいそうなこの問題。
一見するとユニークなシュタイナー教育は、ブームとなった90年代には、その思想の独特さから「テレビを見せない・木のおもちゃしか使わない・化学調味料などは使わない・点数評価至上主義の教育を認めない」……
といった曲解を生み、場合によっては宗教的・カルト的な思想を生みかねないと批判されたこともあったようですが。。
かなりゆるめのシュタイナー風教育の中で、自然に囲まれのびのびと、五感を使った遊びにまみれ育った3年間は、我が子にとってかけがえのない時間となりました。
親としても、子供達の個を尊重し見守る先生方と、自然体で子育てを楽しんでいる(ように見えた)保護者の方々との出会いは、素晴らしいものだったと断言できます。
とはいえ、こんなこだわりのある幼稚園を出ていながら、今現在小3となった長男は、テレビも漫画もゲームもYouTubeも大好き、食べているものもオーガニックにも拘ってなければ、手作りをメインにもしていません。
でも、「こうしなければ!」ではなく、親子にとって心地よい大らかな気持ちで過ごす。これもこの幼稚園で得た学びです。
教えてもらったのは、そっと、行く道を照らす。という姿勢。
ついつい先回りして道を整えがちな私は、まだまだ長い子育ての中で、子供と共に学び育って行きたいと思っています。
本当に親子で好きだった幼稚園、今は引っ越してしまい、次男が行けないのが残念で仕方ない。。
長男(小3)の幼稚園から着信、年に一回の子供同窓会のお知らせだった。
本来郵送だけど、卒園から3回引越して、バタバタで連絡入れ忘れてたみたい……
わざわざ、ありがとうございます。
久しぶりにお話出来て、私が嬉しかった☺️
大好きだった園、同窓会は難しいけど、夏休みに遊びに行きますね〜!
— 錯乱坊🍒THE・ワンオペマスター (@ok_sabou) 2019年5月13日
では、長々とありがとうございました。
幼稚園・保育園をお探しの皆さんに、良い出会いがありますように!
つづく。
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